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2000年代東京クラブ回顧録(3) 新木場ageHa


♪BGM: Halcyon – Chicane



2000年代のある時期、いちばんクラブシーンに浸かっていた頃の回顧録、連載3回目です。



EMMA部@新木場ageHa


ある時期「EMMA部」を結成して、ageHa(Studio Coast)で月イチ開催していた「EMMA HOUSE」に通っていた。

「EMMA部」の部員は、一緒にYELLOWにも行ったTさん、六本木の神羅ビルみたいな建物に入った会社でお互い働いてたことがあるKちゃん、そして20代だった頃からみんなのお母さんと呼ばれている優しいお姉さん、Aさん というゴールデンメンバー。

agehaは、当時の東京で私がいちばん好きだったクラブ。有楽町線に乗って新木場まで行く。新木場ってagehaに行く時以外には行かない駅だったから、私にとっては新木場駅=agehaのイメージ、新木場で降りた瞬間から既にパーティが始まってる感覚。

サインボード風の看板はオープン当時からあのまま。厳しめのボディチェックを受けて中へ入ると、アイランド型のバーとサブフロアがあり、ドアを隔てた奥にメインフロアがある。フロアは広大で、10発くらいあるスピーカーもミラーボールも、全部が大きかった。

行くたびにフロア構成が変わっていた。DJブースがフロア前方にある時もあれば、中2階にコックピットみたいなブースが設置されていて、DJを見上げながら踊る形になる時もあった。メインフロアから更にドアを開けて奥へ進むと屋外にプールとバーがあり、イベントによっては屋外にテントやサブブースが設置されることもある。オリジナルグッズを売ってる売店があって、確かアゲハ柄のタオルを買った。agehaにはEMMA HOUSE以外にもよく通ったので、私はメンバーズカードも持ってた。赤いやつ。

agehaの女子トイレには秘密の部屋があった。
トイレには10くらいの個室があるけど、実はその中に1つだけ、謎の小部屋に繋がっているドアがある。ある時偶然見つけて、めっちゃワクワクしたのを覚えてる。白い壁一面にレディースコミックっぽいエロい絵が描かれていて、部屋の真ん中には派手なピンクのソファが置かれていた。先客の女子たちがキャー何これヤバーい!!とか言いながらソファで抱き合って座ってた。

いつ行っても夢みたいな場所だった。広いフロアで、ハウスの重低音に包まれながら踊るのは楽しかったな。



Chicane@新木場ageHa ふたたび


最後にagehaへ行ったのは2012年、バレアリックの神 Chicaneが最初の(そして最後かもしれない)来日公演をした時。私は既に大阪に戻っていたけど、Chicaneを直に見られる機会なんて二度とないかもしれないし絶対に逃せないので、飛行機に乗って見に行った。

イビサ好き&トランス好き仲間のYさんと初めて会ったのがこの日。YさんもChicaneを見るため北海道から遠征。Chicane前にご飯行こうーということで、グラスなみなみに注がれたワインを飲みながらイビサ話。

久々のageha、ワクワクした。大阪で一緒に遊んでて現在東京在住のお友達、東京に住んでた時に一緒に遊んでいたクラブ友達がみんないて、大同窓会状態。そして夢にまで見たChicaneのライブ。多幸感が半端なかった。途中、音が止まり「PC落ちちゃったよ〜!」みたいなことを言ってた記憶がある。笑

例の秘密の部屋を一応確認してみたらその時は入れなくなっていた。でも部屋自体はまだ残ってそうだった。

パーティ後、Yさんと、Yさんのお友達のJさんとマクドナルドで朝マックをした。新木場駅まわりにはほとんど何もないので、電車で隣の駅まで行った記憶。笑 お2人とは今もゆるく繋がってる。
やっぱり夢みたいな場所だったよね。




ageHaが20年の歴史に幕を下ろすという発表がありました。STUDIO COASTでの活動は終了しますが、ageHaというクラブイベント/プロジェクトとしての活動は続くとのことです。
ありがとう あたしの青春。

クラブイベント「ageHa」 STUDIO COASTでの活動終了のお知らせ